• キャバクラやスナックを始めたけど、お店の確定申告の進め方が分からない
  • キャストに払う報酬から、税金をいくら差し引けばいいの?
  • 現金の売上が多く、税務調査が来たらどうしようと不安

キャバクラ・スナック・ガールズバー・ラウンジを経営するオーナー・ママの皆様が、つまずきやすいのがこの3つです。

お店には、お店自身の確定申告に加えて、キャストに払う報酬から所得税を差し引いて納める「ホステス報酬の源泉徴収」の役目があります。キャスト側の税金の仕組みとあわせて知っておくと、あとからのトラブルを防げます。

私たちは夜職・副業に特化した税理士事務所として、毎年800件以上の確定申告をサポートしています。

この記事では、お店の確定申告、キャストへの報酬の源泉徴収、給与と報酬の分け方、帳簿と税務調査の注意点を順番に解説します。

結論:お店側がまず押さえるのは2つです。①お店の利益の確定申告(個人経営なら事業所得)と、②キャストの報酬から源泉徴収をして納めること。ホステス等の報酬は「(報酬−5,000円×計算期間の日数)×10.21%」で計算します。

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お店側の税金の早見表

この記事の答え(お店側の税金)
税金・手続きだれがするかポイント
お店の確定申告(所得税)個人で経営するオーナー売上から経費を引いた利益(事業所得)を1年分まとめて申告
会社(法人)の申告会社で経営している場合会社の決算にあわせて申告(オーナー個人の確定申告とは別)
キャストの報酬の源泉徴収お店(払う側)報酬から所得税を差し引き、税務署に納める
スタッフの給与の源泉徴収・年末調整お店(雇っている場合)源泉徴収税額表で計算し、年末に精算
キャストへの1年分の書類お店給与なら源泉徴収票。報酬なら1年分の報酬と源泉徴収の額が分かる明細を渡すと、キャストが申告しやすい

個人で経営している場合、令和8年分(2026年1〜12月)の確定申告の期限は2027年2月16日〜3月15日です。

キャバクラやスナックのお店側の税金でまず押さえる2つの図。1つ目はお店の確定申告(売上から経費を引いた利益を1年分まとめて申告)、2つ目はキャストの報酬の源泉徴収(報酬から差し引いて税務署に納める・業務委託でも同じ)。個人経営の令和8年分の期限は2027年2月16日〜3月15日

1. お店の確定申告(個人で経営している場合)

個人でお店を経営している人は、お店の売上から経費を引いた利益が事業所得になり、1年分をまとめて確定申告します。

  • お店の家賃・水道光熱費
  • お酒・食材などの仕入れ
  • キャストやスタッフへの報酬・給与
  • 送り(送迎)の費用
  • 求人・広告の費用
  • 内装・設備(高いものは数年に分けて経費にする)
  • おしぼり・消耗品・カラオケのリース代など

開業届と青色申告の承認申請を出し、帳簿をつけて青色申告にすると、条件を満たせば最大65万円の控除が使えます。赤字の年の損を次の年以降に繰り越せるなど、お店の経営に役立つ点も多くあります。

お店を会社(法人)にしている場合は、会社の申告と、オーナー個人の確定申告(会社から受け取る役員報酬など)が別になります。

期限:令和8年分(2026年の所得)は2027年2月16日〜3月15日。税金を納める期限も3月15日です。

2. ホステス報酬の源泉徴収(キャストの報酬から差し引く計算)

お客さんを接待するキャスト(ホステス・ホストなど、男女を問わない)に報酬を払うときは、お店が所得税を差し引いて(源泉徴収して)払い、その税金を税務署に納めます。キャストが業務委託でも同じです。

源泉徴収する金額の計算

(報酬 − 5,000円 × その支払の計算期間の日数)× 10.21%

例1:日払いで報酬5万円の場合(計算期間1日)
(5万円 − 5,000円×1日)× 10.21% = 4,594円

例2:計算期間30日の報酬が30万円の場合
(30万円 − 5,000円×30日)× 10.21% = 15,315円

10.21%は、所得税10%と復興特別所得税0.21%を合わせた割合です。差し引く5,000円は、出勤した日数ではなく、計算期間の日数で計算します。報酬が「5,000円×日数」より少ないときは、差し引く税金は0円です。

キャストの報酬から差し引く源泉徴収の計算の図。報酬から5,000円×計算期間の日数を引き、10.21%をかけた額を差し引いて納める。例1:日払いで報酬5万円なら4,594円、例2:計算期間30日で報酬30万円なら15,315円

差し引いた税金は、決まった期限までに税務署に納めます。期限はお店の規模や手続きによって違うので、税理士に確認しましょう。納め忘れると、あとからまとめて請求され、上乗せがかかることがあります。

キャストごとに、1年分の報酬と差し引いた税金を記録しておきます。年が明けたら、この記録をもとに税務署へ出す書類(支払調書など)を作ります。どのキャストの分を出すかの基準は、税理士に確認しましょう。

ポイント:キャストの報酬は、業務委託でも源泉徴収が必要。計算期間の日数で計算し、キャストごとに記録しておきましょう。

3. キャストを「給与」で払うか「報酬」で払うか

項目給与(雇用)報酬(業務委託)
税金の差し引き方源泉徴収税額表で計算(報酬−5,000円×日数)×10.21%
年末の精算お店が年末調整キャストが自分で確定申告
キャストに渡す書類源泉徴収票1年分の報酬と源泉徴収の額が分かる明細
社会保険・労働保険条件によって加入が必要原則としてお店の加入の対象外

契約書に「業務委託」と書いても、出勤の時間や働き方をお店が細かく決めているなど、実態が雇用に近いと給与と判断されることがあります。給与と判断されると、源泉徴収のやり方が変わり、あとから差額を求められることもあります。

キャスト側から見た違いはキャストの報酬と給与の違い・個人事業主の考え方、キャスト側の源泉徴収の見え方はキャバ嬢・ホステスの源泉徴収の仕組みで解説しています。お店の説明とキャスト向けの説明をそろえておくと、トラブルを防げます。

4. 現金商売の帳簿と、税務調査で見られるところ

キャバクラやスナックは現金の売上が多く、税務調査では「売上がもれなく記録されているか」と「キャストへの支払いと源泉徴収が合っているか」がよく確認されます。

  • 売上:伝票・レジ・カード決済の記録を毎日つき合わせ、現金の売上をその日のうちに記録
  • 売掛:お客さんごとに金額と回収した日を記録
  • キャストへの支払い:日ごとの報酬・バック・差し引いた源泉徴収の額を、キャストごとに記録
  • 経費:仕入れや送りの費用のレシート・請求書を保管

キャストの税務調査から、お店の支払記録が確認されることもあります。お店の記録がきちんとしていれば、キャストも安心して申告できます。

現金商売の帳簿で毎日記録しておくことのチェックリスト。売上は伝票・レジ・カード決済をつき合わせて現金はその日のうちに、売掛はお客さんごとに金額と回収した日、キャストへの支払いは報酬・バック・源泉徴収の額をキャストごとに、経費は仕入れや送りのレシート・請求書

わざと売上を隠したと判断されると、重加算税(過少申告なら35%、無申告なら40%)がかかることがあります。水商売が調査で見られやすい理由は夜職の税務調査と、無申告がバレる仕組みでも解説しています。

ポイント:現金の売上・売掛・キャストへの支払いを毎日記録しておくことが、税務調査への一番の備えです。

5. お店側の税金対策(正しく税金を減らす方法)

  1. 青色申告にする:帳簿をつけ、条件を満たして最大65万円の控除を使う
  2. 経費をもれなく記録する:仕入れ・送り・消耗品・広告など、お店のためのお金はレシートと一緒に残す
  3. 源泉徴収を正しく行う:あとからまとめて請求されると、上乗せの分だけ損をする
  4. 帳簿を毎日つける:現金の売上ほど、記録があることが一番の守りになる
  5. 個人か会社(法人)かを見直す:どちらが有利かは利益の額や今後の予定で変わるので、税理士に相談する

「売上を少なく見せる」「キャストへの支払いを記録しない」のは、対策ではなく、あとで大きな上乗せになる原因です。

お店側の税金対策の図。正しく税金を減らす方法は、青色申告にする(最大65万円の控除)、経費をもれなく記録する、源泉徴収を正しく行う、帳簿を毎日つける、個人か会社かを見直す。売上を少なく見せることやキャストへの支払いを記録しないことは対策ではない

6. 申告していない年がある場合

お店の確定申告をしていない年がある人も、税務署から連絡が来る前に自分から申告すれば、無申告加算税は5%で済みます。期限を過ぎていても申告はできます。

キャストの報酬から源泉徴収をしていなかった、差し引いたのに納めていなかった、という場合も、気づいた時点で早めに税理士に相談しましょう。

  • 無申告加算税:税務調査の通知の前に自分から申告すれば5%。調査で指摘されると15〜30%
  • 延滞税:納める日が遅れた日数に応じて、利息のようにかかる(令和8年は年2.8%、2か月を過ぎると年9.1%)
  • 重加算税:わざと隠したと判断されると、無申告なら40%

7. 夜taxのお客様の声と解説動画

実際に夜taxへご相談いただいたお客様の声や、確定申告の仕組みを解説した動画です。

店全体に波及した税務調査|ラウンジのママが語るリアルな現場

お店に入った税務調査が、キャストやお店全体に広がっていった様子を、ラウンジのママが話しています。

確定申告の不安を解消!お客様のリアルな声

確定申告の不安を相談してから、安心できるまでの流れをお客様が話しています。

8. お店側の税金 よくある質問

キャストの報酬から源泉徴収は必要?

お客さんを接待するキャストの報酬は「ホステス等の報酬」にあたり、業務委託でもお店が源泉徴収をして納めます。

源泉徴収の計算のしかたは?

(報酬−5,000円×計算期間の日数)×10.21%です。計算期間30日の報酬が30万円なら15,315円になります。

「計算期間の日数」とは?

報酬を計算する期間の日数です。出勤した日数ではありません。日払いなら1日、1か月ごとならその月の日数で計算します。

日払いのときはどう計算する?

計算期間は1日です。(日払いの報酬−5,000円)×10.21%で計算します。報酬5万円なら4,594円です。

ボーイや黒服の給料は?

お店に雇われて給与を受け取るスタッフは、源泉徴収税額表で計算し、年末調整をします。

業務委託にすれば源泉徴収はいらない?

いいえ。ホステス等の報酬は、業務委託でも源泉徴収が必要です。また、実態が雇用に近いと給与と判断されることがあります。

現金で払っている報酬も記録が必要?

必要です。キャストごとに、日付・報酬・差し引いた税金を記録しておきましょう。税務調査でもよく確認されます。

お店を会社にしたほうがいい?

利益の額や今後の予定によって変わります。個人と会社のどちらが有利かは、数字をもとに税理士と相談して決めましょう。

確定申告をしないとどうなる?

本来の税金に加えて、無申告加算税(自分から申告すれば5%、調査で指摘されると15〜30%)と延滞税がかかります。わざと隠したと判断されると重加算税(40%)になることもあります。

お店の税金の相談もできる?

夜taxは夜職専門の税理士事務所で、キャバクラ・スナックなどお店側の確定申告や、キャストの源泉徴収のご相談もお受けしています。全国対応で、LINEから相談できます。

9. まとめ

お店側は、お店の確定申告と、キャストの報酬の源泉徴収((報酬−5,000円×計算期間の日数)×10.21%)の2つを押さえましょう。

現金の売上・売掛・キャストへの支払いを毎日記録しておけば、税務調査にも落ち着いて対応できます。

給与か報酬かの分け方や、個人か会社かの判断は、早めに専門家に相談するのがおすすめです。

キャストごとの報酬と源泉徴収の記録を、今月から整えましょう

不安がある場合は、夜職のお店に詳しい税理士に相談しましょう