- 風俗の仕事で使う下着や避妊具は経費になるの?
- 確定申告をしたいけど、税務署に否認されないか不安。
- 美容代や交通費をどう扱えばいいのかわからない。
風俗で働く女性が確定申告を行う際、最も悩むのが「どこまで経費にできるか」です。
税金を減らすために経費を入れたいけれど、判断を誤ると税務署から否認されるリスクもあります。
弊社は税理士として、年間600件以上の夜職・風俗業の申告をサポートしています。
その経験をもとに、この記事では「風俗嬢が確定申告で経費にできる15項目」を、実際に税務署で認められた事例を交えて解説します。
風俗嬢の収入は確定申告が必要?
風俗店で働いて得た報酬は、給与所得ではなく事業所得または雑所得として扱われます。
✅ 申告が必要な基準(2025年12月改正対応)
| 区分 | 所得税 | 住民税 |
|---|---|---|
| 基礎控除 | 95万円 | 43万円(変更なし) |
| 実務上の申告ライン | 所得45万円超で申告必要 |
所得とは「収入-経費」で算出します。
たとえば、報酬が100万円でも経費が60万円あれば、所得は40万円で申告不要の場合もあります。
風俗嬢が経費にできる15項目
風俗業は「見た目」「清潔感」「衛生管理」が仕事の一部です。
そのため、一般の職種にはない支出も必要経費として認められます。
| 経費項目 | 内容 | 注意点 |
|---|---|---|
| ドレス・衣装代 | 店指定衣装・イベント衣装 | 私服との併用は不可 |
| 美容院・メイク代 | 出勤前のヘアセットやカラー | 私用分を按分 |
| ネイル・まつエク | 接客目的の外見維持 | 領収書保管必須 |
| 香水・コスメ | 印象管理・顧客対応用 | 高額品の大量購入は注意 |
| 交通費・タクシー代 | 出勤・送迎・アフター移動 | 私的外出分は除外 |
| 家賃・光熱費 | 在宅で顧客管理・準備を行う場合 | 業務使用割合を明記 |
| 携帯代 | 客連絡・SNS連絡用 | 50%程度を按分 |
| SNS広告費 | 集客・宣伝活動 | 業務専用アカウント限定 |
| 税理士費用 | 申告・相談費用 | 全額経費にできる |
| クリーニング代 | 店使用の衣装洗濯費用 | 家庭用衣類は除外 |
| 避妊具・衛生用品 | コンドーム・ローション・除菌スプレーなど | 業務使用目的を明確に記録 |
| 下着・コスチューム | 接客・イベント・プレイ時に使用 | プライベート使用分は除外 |
| アダルトグッズ | プレイ・撮影・フェチ対応に使用 | 使用目的をメモで残す |
| 検査キット・医療費 | 定期性病検査・PCR検査等 | 自費検査分を経費計上可 |
| 消耗品 | タオル・ウェットティッシュ・清掃用品 | 使用日や目的を記録 |
風俗嬢特有の経費を深掘り解説
避妊具・衛生用品
風俗業務では、感染症対策や安全管理のために避妊具・消毒用品が欠かせません。
コンドーム、ローション、除菌スプレー、アルコールジェルなど、衛生維持を目的とした消耗品は、業務上の必要経費として認められます。
店舗から支給されない分を自費購入している場合、その費用は正当な経費です。
領収書を残し、「業務使用」とメモをつけておきましょう。
下着・コスチューム
下着や衣装は顧客満足度を高めるための業務道具です。
店指定や営業イベントでの使用は明確に業務関連支出です。
| 種類 | 経費として認められる例 | 注意点 |
|---|---|---|
| 下着 | 店舗勤務時専用 | 普段使い不可 |
| コスプレ衣装 | 店イベント・撮影用途 | プライベート使用は除外 |
| アクセサリー | 制服の一部・顧客要望対応 | 高額ブランドは不可 |
アダルトグッズ・プレイ用品
SM・デリヘル・フェチ系など、プレイ内容に応じて必要な道具類も経費になります。
ディルド、バイブ、オナホール、拘束具、撮影用小物など、業務中の使用目的が明確な場合に限り経費として認められます。
税務署への説明のコツは、「業務に使う道具として購入したことを明確にできるか」です。
購入時のレシート・通販明細を保管し、用途メモ(例:「プレイ用備品」「顧客要望対応用」)を添えておくと安全です。
検査キット・医療費
風俗業では、性病検査やPCR検査など、健康管理に関する支出も経費にできます。
勤務先で義務づけられている定期検査、自費で受ける安心検査、検査証明書の発行料などが対象です。
美容目的ではなく、業務継続に必要な「健康維持目的」であれば、経費計上に問題ありません。
否認されないための3原則
税務署は「仕事に関係のない支出」に厳しいため、経費が認められるかどうかは説明責任で決まります。
- 目的を記録する
例:「感染防止のため購入」「勤務用コスチューム」など。 - 証拠を残す
領収書・明細・通販履歴を保管。現金支払いの場合はメモを添付。 - 金額の妥当性を意識する
同業他者の支出と比べて常識範囲内であれば問題なし。
按分(仕事と私生活の区別)の考え方
風俗嬢の支出には、仕事と私生活が混ざるケースが多くあります。
| 項目 | 按分の目安 | 根拠 |
|---|---|---|
| 携帯代 | 50%前後 | 客連絡と私用を併用 |
| 家賃 | 20〜30% | 自宅で準備・管理を行う場合 |
| 光熱費 | 10〜20% | 夜間作業やSNS運用時間に応じて |
合理的で一貫性のある割合なら、税務署から否認されることはありません。
領収書をなくした場合の対処法|証拠を残せば経費にできる
「領収書をなくしてしまった」「現金払いでレシートをもらえなかった」――
風俗で働く女性から、この相談はとても多いです。
安心してください。
確実に仕事のために使ったと説明できる証拠があれば、領収書がなくても経費として認められる可能性があります。
大切なのは、「支出の事実」と「仕事のために使った理由」を証明することです。
再発行ができるかを確認する
まずは、お店・美容院・通販サイトなど、購入先に領収書や明細の再発行をお願いしてみましょう。
最近はメールやLINEで簡単に再発行してくれる店舗も増えています。
そのやり取りの履歴も、立派な証拠になります。
再発行できない場合は「代わりの証拠」を集める
領収書が手に入らない場合でも、支払いの履歴が分かる資料を集めることが大切です。
たとえば、以下のようなものは税務署でも認められるケースが多いです。
| 証拠として有効なもの | 内容の例 |
|---|---|
| クレジットカード明細 | 美容院・衣装・グッズの購入履歴 |
| 銀行振込明細 | オンライン購入・取引履歴 |
| ECサイトの注文履歴 | Amazon・楽天などの注文記録 |
| キャッシュレス決済履歴 | PayPay・楽天ペイの履歴画面 |
| 美容院・店舗の予約メール | 予約日・メニュー・料金が分かるもの |
| 写真・スクリーンショット | 使用中のグッズ・衣装の画像など |
| 支出メモ | 「○月○日/衣装代/出勤イベント用」などの簡易記録 |
「支出メモ」を残すだけでも安心感が違う
領収書がない支出には、簡単なメモを残すだけでも信頼性が上がります。
以下のようなメモをスマホのメモ帳に書いておきましょう。
例:支出メモの書き方
5月20日 衣装代5,500円(イベント用ドレス購入)
購入先:○○通販サイト
用途:出勤イベントで着用
このように「日付・金額・用途・理由」を書いておくだけで、後から見ても何の支出か分かります。
税務署から質問されたときも、自信を持って説明できます。
実際に使った証拠があれば十分
たとえば、避妊具・下着・アダルトグッズ・消耗品なども、「店舗で実際に使用している」「写真・在庫・業務ノートに記録がある」などの形で確認できれば、経費として問題なく認められます。
支出内容がデリケートな場合は、領収書の宛名を個人名ではなく「上様」や店舗名で受け取るなど、プライバシーを守りながら保存しておく方法もあります。
今後の対策:領収書を失くさない工夫
- スマホで撮影してクラウド保存
(Google Drive・Dropboxなど) - キャッシュレス決済を中心に使う
明細が自動的に残るので便利です。 - 月ごとに経費フォルダを作る
「4月美容費」「5月衣装代」などで整理。
「レシートがない=経費にできない」とは限りません。
少しの工夫で、確定申告の不安を大きく減らせます。
無申告のリスクとペナルティ
風俗業は税務署から注目されやすい業種です。
| ペナルティ | 内容 |
|---|---|
| 無申告加算税 | 税額の10〜30% |
| 延滞税 | 納付遅延分を日割で加算 |
| 信用情報 | 金融機関に悪影響が出る可能性あり |
早めに正しく申告すれば、ペナルティは最小限で済みます。
「知らなかった」では済まされません。
風俗嬢が語る税務調査の現実|SNS投稿で狙われた事例も
「SNS投稿がきっかけで税務調査に入った」「辞めた後に通知が来た」など、実際に起きた夜職女性のリアル体験を紹介。
無申告のままにしておくリスクと、現役のうちに申告しておく重要性をわかりやすく解説します。
税理士に依頼するメリット
風俗業の経費判断はグレーゾーンが多く、自己判断では難しいです。
税理士に依頼することで、以下の3つのメリットが得られます。
- 節税できる項目を最大化できる
美容・衛生・衣装など、職業特有の支出を正確に区分。 - 税務署対応を任せられる
万一の調査でも代理で対応可能。 - バレない申告方法の提案が受けられる
住民税の「普通徴収」など、会社や家族に知られない対策が可能。
まとめ|風俗嬢の節税は「正しく経費を使う」ことから始まる
風俗の仕事では、美容や衛生にかかる支出が多く発生します。
それらは恥ずかしい支出ではなく、「職業に必要な投資」です。
避妊具も下着もアダルトグッズも、すべてお客様に安全で快適なサービスを提供するための必要経費です。
税金を怖がるのではなく、味方につける。
それが、風俗で働く女性が安心して収入を守る第一歩です。
