• 「勤労学生控除」という言葉を聞いたけど、自分が使えるのか分からない
  • バイトと夜職の両方をしている学生は、年収いくらまでなら大丈夫?
  • 勤労学生控除を受けると、親の扶養から外れてしまうの?

働きながら学校に通う学生の皆様から、よくいただく質問です。

勤労学生控除は「学生本人の税金」を軽くするための控除です。令和8年分(2026年の所得)から基準の金額が変わったので、前の年の情報のまま判断すると、思わぬ勘違いをしてしまいます。

私たちは夜職・副業に特化した税理士事務所として、毎年800件以上の確定申告をサポートしています。働く学生の方のご相談もよくいただきます。

この記事では、勤労学生控除の条件、バイトと夜職の所得の数え方、受け方、所得税と住民税への効き方を順番に解説します。

結論:勤労学生控除の所得の条件は、合計所得89万円以下(給与だけなら年収163万円以下)です(令和8年分)。ただし令和8年分は、所得89万円以下の人は基礎控除(104万円)だけで所得税がかからないので、勤労学生控除が効いてくるのは主に住民税です。

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勤労学生控除の条件の早見表

この記事の答え(勤労学生控除の条件)
合計所得の条件給与だけの場合の年収(目安)
令和8年分(2026年の所得)89万円以下163万円以下
令和7年分(2025年の所得)85万円以下150万円以下
令和6年分まで75万円以下130万円以下

「所得」は、バイト(給与)なら年収から給与所得控除(令和8年分は最低74万円)を引いた金額、夜職などの業務委託の報酬なら、報酬から経費を引いた金額です。学生であることなど、所得のほかにも条件があります。

1. 勤労学生控除とは

勤労学生控除は、働いて収入を得ている学生が、自分の所得税や住民税を計算するときに受けられる控除です。親が受ける控除ではありません。

勤労学生控除を受けるための主な条件
  • 学生・生徒であること(通信制や一部の専門学校・各種学校などは対象にならないことがあるので、学校に確認)
  • 自分が働いて得た収入(バイトの給与や、夜職などの報酬)があること
  • 合計所得が89万円以下であること(令和8年分)
  • このほかにも細かい条件がある

対象になる学校かどうかや細かい条件は、学校や税務署、税理士に確認しましょう。

勤労学生控除と親の扶養控除の違いの図(令和8年分)。勤労学生控除は学生本人の所得税・住民税の控除で、所得89万円以下(給与だけなら年収163万円以下)が条件。親の扶養控除は親の控除で、子の所得62万円以下(給与だけなら年収136万円以下)

ポイント:勤労学生控除は「学生本人」の控除。親の扶養とは別の話です。

2. バイトと夜職の所得の数え方

条件の「89万円」は年収ではなく「所得」です。働き方によって数え方が違います。

働き方所得の数え方89万円以下になる目安
バイト(給与だけ)年収−給与所得控除(最低74万円)年収163万円以下
夜職など業務委託の報酬だけ報酬の合計−経費報酬から経費を引いて89万円以下
バイトと夜職の両方給与の所得+報酬の所得合計して89万円以下
例:バイトと夜職の両方をしている学生
  • バイトの年収100万円 → 所得26万円(100万円−74万円)
  • 夜職の報酬120万円・経費40万円 → 所得80万円
  • 合計所得106万円 → 89万円を超えるので、勤労学生控除の条件にあてはまらない

業務委託の報酬には給与所得控除がありません。同じ金額を稼いでも、バイトより所得が大きくなりやすいので注意しましょう。衣装代や交通費など、仕事のための出費を記録しておくと、所得を正しく計算できます。

バイトと夜職の両方をしている学生の所得の合計の図。バイトの年収100万円から74万円を引いた所得26万円と、夜職の報酬120万円から経費40万円を引いた所得80万円を合計すると106万円。89万円を超えるので勤労学生控除の条件にあてはまらない

夜職の学生の確定申告については学生の夜職は確定申告が必要?でも解説しています。

3. 令和8年分は所得税より住民税に効く

令和8年分は、所得税の基礎控除が大きくなりました(合計所得132万円以下の人は104万円)。そのため、勤労学生控除の条件(所得89万円以下)にあてはまる人は、基礎控除だけで所得税がかからない範囲に入ります。

所得税(令和8年分)住民税
所得89万円以下の学生基礎控除(104万円)だけでかからない勤労学生控除で軽くなったり、かからなくなったりすることがある
勤労学生控除の意味所得税の計算では差が出ないことが多い意味が大きい(基準は市区町村で確認)

住民税は所得税とは基準が違い、所得税がかからない人にもかかることがあります。勤労学生控除を受けられる人は、申告のときにきちんと書いておきましょう。住民税の細かい基準は、お住まいの市区町村で確認できます。

令和8年分の勤労学生控除が所得税と住民税にどう効くかの図。所得89万円以下の学生は、所得税は基礎控除104万円だけでかからないので差が出ないことが多いが、住民税は勤労学生控除で軽くなったりかからなくなったりすることがあり意味が大きい

ポイント:「所得税がかからないから申告しなくていい」とは限りません。住民税の申告や、源泉徴収された税金を取り戻す申告が必要なことがあります。

4. 勤労学生控除の受け方(年末調整と確定申告)

あなたの立場受け方
バイト先で年末調整を受ける(給与だけ)バイト先に出す書類(扶養控除等申告書)で、勤労学生であることを申告する
夜職など業務委託の報酬がある確定申告書で勤労学生控除を書く
バイトと夜職の両方確定申告でまとめて申告する(年末調整を受けていても、確定申告で書き直せる)

給与のある人は、給与以外の所得(夜職の報酬など)が年20万円を超えると確定申告が必要です。20万円以下でも、住民税の申告は必要なので注意しましょう。

勤労学生控除の受け方の図。バイトだけで年末調整を受ける人はバイト先に出す扶養控除等申告書で勤労学生と申告する。夜職など業務委託の報酬がある人は確定申告書で勤労学生控除を書き、バイトもしている人は確定申告でまとめて申告する

期限:令和8年分(2026年の所得)は2027年2月16日〜3月15日。税金を納める期限も3月15日です。

夜職の報酬から源泉徴収(10.21%)されている人は、確定申告をすると、引かれた税金が戻ってくることがあります。

確定申告で税金が返ってくる理由

確定申告をすると、払いすぎた税金が戻ってくることがある理由を解説した動画です。

5. 親の扶養との関係

勤労学生控除を受けても、それだけで親の扶養から外れるわけではありません。親の扶養は、子の所得で決まります。

子の所得の基準(令和8年分)
子本人の勤労学生控除89万円以下(給与だけなら年収163万円以下)
親の扶養控除62万円以下(給与だけなら年収136万円以下)
親の特定親族特別控除(19歳以上23歳未満)62万円超123万円以下(給与だけなら136万円超197万円以下)
健康保険の扶養年収130万円未満(19歳以上23歳未満は150万円未満)

子の所得が62万円を超えると、親は扶養控除ではなく特定親族特別控除になり、控除の金額が段階的に減ります。くわしくは特定親族特別控除とは(親の控除の早見表)にまとめています。

年収の壁の全体像は年収の壁(103万・123万・160万・178万円)はどうなった?、大学生のチャットレディの扶養はチャットレディの大学生は扶養に入れる?で解説しています。

6. 夜taxのお客様の声と解説動画

実際に夜taxへご相談いただいたお客様の声や、確定申告の仕組みを解説した動画です。

副業や確定申告の不安を解消!お客様のリアルな声

副業や確定申告の不安を、税理士に相談して解消したお客様の声です。

漫画でわかるナイトワークの確定申告

ナイトワークの確定申告の流れを、短い漫画で解説した動画です。

7. 勤労学生控除 よくある質問

勤労学生控除の所得の条件は?

合計所得89万円以下です(令和8年分)。給与だけなら年収163万円以下が目安です。令和7年分は85万円以下(給与150万円以下)でした。

夜職の報酬だけでも受けられる?

自分が働いて得た報酬なら対象になり得ます。報酬から経費を引いた所得で89万円以下かを判定します。

バイトと夜職の両方をしているときは?

給与の所得と報酬の所得を合計して、89万円以下かを判定します。

令和8年分は所得税が安くなる?

所得89万円以下の人は、基礎控除(104万円)だけで所得税がかからないので、所得税の計算では差が出ないことが多いです。住民税では意味があります。

受けると親の扶養から外れる?

外れません。親の扶養は子の所得で決まります。所得62万円以下なら親の扶養控除、62万円超123万円以下なら特定親族特別控除(19歳以上23歳未満)です。

年末調整で受けられる?

バイト先で年末調整を受ける人は、バイト先に出す書類で勤労学生であることを申告すれば受けられます。

専門学校生も対象?

対象になる学校と、ならない学校があります。通っている学校に確認しましょう。

所得税がかからなくても申告は必要?

住民税の申告が必要なことがあります。源泉徴収された税金がある人は、確定申告をすると戻ってくることがあります。

89万円を超えたらどうなる?

勤労学生控除は受けられません。給与だけなら年収178万円以下で所得税はかかりません(令和8年分)。

学生の確定申告を任せられる?

夜taxは夜職専門の税理士事務所で、働く学生の方の確定申告もお受けしています。全国対応で、LINEから相談できます。

8. まとめ

勤労学生控除の所得の条件は合計所得89万円以下(給与だけなら年収163万円以下)です(令和8年分)。令和8年分は、所得税より住民税に効く控除になりました。

バイトは「年収−74万円」、夜職などの業務委託は「報酬−経費」で所得を出して、両方をしている人は合計で判定しましょう。

勤労学生控除と親の扶養は別の話です。親の控除の基準もあわせて確認しておくと安心です。

1年分の給与・報酬と経費を記録しておきましょう

夜職の報酬がある学生は、早めに夜職に詳しい税理士に相談しましょう