- 「103万円の壁」がなくなったって本当?
- ニュースで聞く123万円・160万円・178万円の壁は、どれが自分に関係あるの?
- 夜職や業務委託で働いている場合も、同じ年収の壁で考えていい?
ここ2年で税金の「年収の壁」は大きく変わり、いくつもの金額がニュースに出てきました。この記事は、キャバクラ・ホステス・風俗・チャットレディなどの夜職や、副業で働く人に向けて書いています。
私たちは夜職・副業に特化した税理士事務所として、毎年800件以上の確定申告をサポートしています。扶養や年収の壁のご相談もよくいただきます。
この記事では、年収の壁の種類、令和8年分(2026年の所得)の金額、夜職・業務委託の人の考え方を早見表で整理します。
年収の壁の早見表(給与だけの場合の年収)
| 何の壁? | 令和8年分(2026年) | 令和7年分(2025年) | 令和6年分まで |
|---|---|---|---|
| 所得税がかかる(本人) | 178万円超 | 160万円超 | 103万円超 |
| 扶養控除(親が受ける) | 136万円以下 | 123万円以下 | 103万円以下 |
| 特定親族特別控除(親が受ける・19歳以上23歳未満の子) | 136万円超197万円以下 | 123万円超188万円以下 | 制度なし |
| 配偶者特別控除(夫や妻が受ける) | 136万円超207万円以下 | 123万円超201万5,999円以下 | 103万円超201万5,999円以下 |
| 勤労学生控除(本人) | 163万円以下 | 150万円以下 | 130万円以下 |
健康保険の扶養は税金とは別の基準で、年収130万円未満(19歳以上23歳未満は令和7年10月から150万円未満、60歳以上などは180万円未満)が目安です。
1. 年収の壁は「どの税金の、誰の壁か」で分ける
| 壁の種類 | 誰の税金・保険の話? | どう決まる? |
|---|---|---|
| 所得税の壁 | 働いている本人 | 基礎控除+給与所得控除(給与の人) |
| 扶養控除・特定親族特別控除の壁 | 親(子を養っている人) | 子の所得 |
| 配偶者控除・配偶者特別控除の壁 | 夫や妻(配偶者を養っている人) | 配偶者の所得 |
| 健康保険の扶養の壁 | 親や配偶者の健康保険 | 年収(判定のしかたは保険証の発行元で違う) |
ニュースで「〇〇万円の壁」と言うときは、このどれかの話です。自分の税金なのか、家族の控除なのか、健康保険なのかを分けて考えましょう。

2. 103万・123万・160万・178万円の壁の意味
給与だけの人は、年収103万円(基礎控除48万円+給与所得控除の最低55万円)を超えると所得税がかかり、親の扶養からも外れました。所得税と扶養の両方の壁だったので、よく知られていました。
令和7年分は、親の扶養控除の対象になる子の年収(給与だけ)が123万円以下になりました(所得58万円以下)。123万円は、令和8年分の特定親族特別控除の「所得」の上限の数字でもあります。
令和7年分の、給与だけの人に所得税がかからない年収です(基礎控除95万円+給与所得控除の最低65万円)。
令和8年分の、給与だけの人に所得税がかからない年収です。基礎控除(合計所得132万円以下の人は104万円)+給与所得控除の最低74万円=178万円です。

令和8年分の扶養の壁は、子の年収(給与だけ)136万円です(所得62万円以下)。所得税の壁(178万円)と扶養の壁(136万円)が別々になったので、「103万円」のように1つの数字では言えなくなりました。

3. 夜職・業務委託の人は「年収」ではなく「所得」で見る
上の早見表の年収は「給与だけの人」の目安です。キャバクラやラウンジ、チャットレディなどで業務委託の報酬を受け取っている人は、給与所得控除がないので、所得(報酬−経費)で判定します。
| 給与だけの人(年収) | 業務委託の人(所得=報酬−経費) | |
|---|---|---|
| 自分に所得税がかからない(令和8年分) | 178万円以下 | 104万円以下(基礎控除だけで考えた場合) |
| 親の扶養控除の対象 | 136万円以下 | 62万円以下 |
| 親の特定親族特別控除の対象(19歳以上23歳未満) | 136万円超197万円以下 | 62万円超123万円以下 |
| 配偶者特別控除の対象 | 136万円超207万円以下 | 62万円超133万円以下 |
| 勤労学生控除の条件 | 163万円以下 | 89万円以下 |
- 経費が20万円 → 所得130万円 → 所得税がかかる(104万円超)・親の扶養控除も特定親族特別控除も対象外(123万円超)
- 経費が50万円 → 所得100万円 → 所得税はかからない(104万円以下)・親の扶養控除は対象外(62万円超)。19歳以上23歳未満なら親は特定親族特別控除
- バイトの年収150万円なら → 所得76万円 → 所得税はかからない・親の扶養控除は対象外(136万円超)。19歳以上23歳未満なら親は特定親族特別控除
報酬から源泉徴収(10.21%)されている人は、所得税がかからなくても、確定申告をすると引かれた税金が戻ってくることがあります。

業務委託・個人事業主の人の扶養内の上限(所得の数え方・青色申告の控除の扱い)は、業務委託・個人事業主の扶養内はいくらまで?で解説しています。
4. 学生・主婦(主夫)の人が気をつけること
19歳以上23歳未満の学生
子の所得が62万円を超えても、123万円以下なら親は特定親族特別控除を受けられます(最高63万円・段階的に減る)。くわしくは特定親族特別控除とは(親の控除の早見表)を見てください。本人の控除は勤労学生控除の条件とはで解説しています。
配偶者に養われている人
配偶者の所得が62万円を超えると、夫や妻は配偶者控除ではなく配偶者特別控除になり、133万円を超えると対象外になります。主婦の方の夜職・副業の申告は専業主婦チャットレディの確定申告も参考にしてください。
住民税と健康保険は別の基準
住民税は所得税とは基準が違い、所得税がかからない人にもかかることがあります。健康保険の扶養は、年収130万円未満(19歳以上23歳未満は150万円未満)が目安です。どちらも、お住まいの市区町村や保険証の発行元で確認しましょう。
家族に知られずに申告したい人は夜職の親バレ・扶養バレ対策も読んでおくと安心です。
5. 年収の壁を超えそうなときにやること
- 1年分の給与・報酬と経費を記録して、年末までの所得を見込む
- 「本人の所得税」「家族の控除」「健康保険の扶養」のどの壁に近いかを確かめる
- 家族の扶養に入っている人は、所得の見込みを家族に伝える
- 夜職など業務委託の報酬がある人は、確定申告で所得をはっきりさせる
- 健康保険の扶養は、保険証の発行元(家族の勤務先など)に確認する
期限:令和8年分(2026年の所得)は2027年2月16日〜3月15日。税金を納める期限も3月15日です。
給与のある人は、給与以外の所得(夜職の報酬など)が年20万円を超えると確定申告が必要です(変わっていません)。
6. 夜taxのお客様の声と解説動画
実際に夜taxへご相談いただいたお客様の声や、確定申告の仕組みを解説した動画です。
漫画でわかるナイトワークの確定申告
ナイトワークの確定申告の流れを、短い漫画で解説した動画です。
確定申告で税金が返ってくる理由
確定申告をすると、払いすぎた税金が戻ってくることがある理由を解説した動画です。
7. 年収の壁 よくある質問
- 103万円の壁はなくなった?
令和8年分は、給与だけの人の所得税の壁は178万円、親の扶養控除の壁は136万円です。103万円は令和6年分までの金額です。
- 2026年の年収の壁はいくら?
令和8年分(2026年の所得)は、給与だけの人は年収178万円以下なら所得税がかかりません。親の扶養控除の対象は年収136万円以下(所得62万円以下)です。
- 123万円の壁とは?
令和7年分の、親の扶養控除の対象になる子の年収(給与だけ)の上限です。令和8年分は136万円になりました。
- 160万円の壁と178万円の壁の違いは?
160万円は令和7年分、178万円は令和8年分の、給与だけの人に所得税がかからない年収です。
- 夜職の人も178万円まで所得税がかからない?
いいえ。業務委託の報酬は給与所得控除がないので、所得(報酬−経費)で見ます。基礎控除だけで考えると、所得104万円以下なら所得税はかかりません(令和8年分)。
- 大学生の子が年収150万円稼いだら?
バイト(給与だけ)なら所得76万円で、親は扶養控除ではなく特定親族特別控除(満額63万円)になります。本人に所得税はかかりません。
- 健康保険の扶養も178万円まで?
違います。健康保険の扶養は年収130万円未満(19歳以上23歳未満は150万円未満)が目安で、税金とは別の基準です。
- 住民税も同じ基準?
違います。住民税は所得税とは基準が違い、所得税がかからない人にもかかることがあります。市区町村で確認しましょう。
- 令和10年分以後も同じ?
基礎控除(合計所得132万円以下の人は99万円)と給与所得控除の最低額(69万円)が変わる予定です。
- 扶養内パートで一番損する年収はいくら?
人によって違うので、1つの金額では言えません。目安になるのは、健康保険の扶養から外れる年収130万円(19歳以上23歳未満は150万円)です。超えると自分で社会保険料を払うことになり、手取りが減ることがあります。税金の扶養(給与だけなら年収136万円以下)とあわせて確かめましょう。
- 年収の壁を相談できる?
夜taxは夜職専門の税理士事務所で、夜職・副業の確定申告や扶養のご相談をお受けしています。全国対応で、LINEから相談できます。
8. まとめ
夜職などの業務委託の人は、年収ではなく「所得(報酬−経費)」で判定します。所得税は所得104万円、親の扶養控除は所得62万円が目安です。
住民税と健康保険の扶養は別の基準です。どの壁の話なのかを分けて確認しましょう。
1年分の給与・報酬と経費を記録しておきましょう
夜職・副業の収入がある人は、早めに夜職に詳しい税理士に相談しましょう

